【日記】「推し、燃ゆ」を読んで
こんにちは。UGです。
3週間ぶり?ぐらいですかね。最近ちょっと仕事が忙しくて土日も仕事をしていました。仕事しすぎですね。
今日は久しぶりに一日休みを取っているので、普段やらないことでもやろうかと思い、久しぶりに活字の本を読みました。ので、その感想でも書きます。
本は宇佐美りん氏の「推し、燃ゆ」です。
2020年度の芥川賞をとった作品で、あるアイドルを推している女子高生の日常がつづられている作品です。燃ゆ、とタイトルにある通り、そのアイドルは冒頭に暴行沙汰を起こし、炎上していきます。この女子高生も発達障害を抱えていて、家族や学校、バイト先でもトラブルを抱えており、家族も学校もバイトもどんどんダメになっていく中で、最後は精神的な支柱であった推しもダメになっていく、という少し救いのないお話です。
あらすじだけでも読んでいて鬱々とした気持ちになりますね。誰もが幸せな家族生活、学校生活を送っていたわけではないと思いますが、私も高校時代を思い出して暗い気分になりました。発達障害を抱えているからもあると思いますが、高校生の視野の狭さ、自分中心の考え、周りの人には当たり前にわかっているのに自分だけが理解できない、など、とても丁寧に主人公の女子高生の描写がされていて、この子はこのあとどうするんだろうな、と物語りは終わっているのに心配になってしまいました。
私が作者でこの子に救いを与えるなら、自殺か寝たきり状態にさせて推しがまだ輝いている世界の夢を見させるか、発達障害の人が輝く仕事として定評のある性風俗の仕事につかせてNo1の嬢にするかでしょうか。
傍目からみるとなんでひどい奴だといわれそうですが(笑)、発達障害の本人が本当に一番幸せになれる形を考えると、通常の人の幸せとは違った形になるのでは、という思いがあります。世の中にはいろいろな人がいて、その能力や考え方もいろいろなので、その人ができる範囲で本人が幸せなら、はたから見て幸せでなくてもいいと思うんですよね。どうでしょうか。
読者にこういう空想の自由度を与えてくれる物語の終わり方っていいですよね。きっちり話をまとめるのも作者の力量ですが、ある程度まとめつつ、読者の裁量に任せる余地も残す、というのは自分が文章を書くようになったら真似したい部分ですね。
終わり方が似たような形の作品として、湊かなえの「告白」があると思っています。こちらもダークな終わり方をしつつ、その後の展開をすごく読者に想像させる手法が見事だと思います。作者の人間性が疑われると批判もあったからか湊かなえはあまり同じような終わり方の作品を書かなくなりましたが、ぜひまた「告白」のような作品を書いてほしい。
ではまた明日。
【日記】漫才作家 久馬歩について
こんにちは。UGです。
GWからの2日勤務からの2連休でわりかしのんびりできています。
・・・佐藤隼輔、達孝太、小園健太、阪口樂、吉野創士。覚えていますよ。(本当は昨日の日記からコピペ)
新入社員のころは休日もとにかく仕事、仕事、(仕事に関連する)勉強で1年中頭の中が仕事関係のもので満たされていたのに、変わったなあと思います。ただ、ワークライフのライフの部分に時間を使える気持ちの余裕がでてきたのはすごくいいことだと思っています。
自分はあまり趣味がないので、多趣味の人は脳の構造や育った環境が全く違うんだろうな、と思っています。あまり自分に自信が持てないのはこのあたりの中身のなさなんだろうなー。中身のなさ、という点では盛ったプリクラ写真とか、アマゾンの過剰包装と同じです。・・・なんかいい例えないかな。
さて、今日の話題は脚本家、兼漫才作家、兼元漫才師の久馬歩氏についてです。
昨日たまたま見た「やすとものいたって真剣です」にゲストとして登場していました。やすとも~は、TVer見ているとたまにCMとして番組の宣伝が流れていて、芸人の普段見せない本音の部分を真面目に掘り下げている番組みたいで面白そうだなー、と思っていたので昨日初めて見てみました。
久馬氏は「なだぎ武」とかも入っていた複数人のお笑いユニット(ザ・プラン9)のリーダーです。ザ・プラン9は2001年に結成されたユニットで、主に演劇のようなコントを持ちネタにしています。結成されてからしばらくしてユニットのメンバーがそれぞれピン芸人として売れ出したときに、「何か自分でできることはないか」と考えて、元々書くのが好きだったお笑いの脚本を他の芸人さんのためにも書いて提供することを始めたそうです。書いて提供した脚本がいろいろなところでウケることで、だんだんと久馬氏の脚本も評判になり、それにつれて徐々に脚本を書く仕事が増えてお笑い芸人から脚本家兼漫才作家になっていったそう。
MCのやすともからすると、他人のためにお笑いを書く、というのは自分が笑いをとって売れたい芸人からすると、考えられないのだと言っていました。面白いネタを思いついたら自分でやりたい、っていうのは少しわかる気がする。ただ、その人にあったネタを作る、というのが久馬氏にとってはとにかく面白いらしく、自分のユニットのイメージではできないお笑いをふさわしい人にやってもらうのが楽しいそうです。
とにかく漫才脚本を書くのが速く、常に2~3の仕事を抱えていて、ちょっとした隙間時間に書き上げてしまうそう。そして、本番では芸人のアドリブによるちょっとしたストーリーの変化にも合わせてその場で台本を修正して話が通るようにしてしまうそうです。
おそらく、「久馬歩って誰?」という人が大半のはず。番組では売れない芸人から中堅どころまでの芸人から絶大な信頼を得ているのが感じられ、あまり目立たないけど影でお笑いを支えている裏方の職人、という感じがしてとてもカッコよかったです。表情も柔和な笑顔が多く、頼られそうだなー、という感じ。
ものすごく忙しいようですが、とても楽しそうにしていたのが印象的でした。おそらく、趣味が仕事に、仕事が趣味になっているのでしょう。
多趣味の人はうらやましい、という話をこの日記の冒頭にしていましたが、仕事が趣味でも一つの大きな形として成果を出し続けて、周りからもそれで尊敬され、自分もそれで楽しみ続けられるなら、そういう人生もいいな、と思った瞬間でした。
ではまた明日。
【日記】今年のドラフト
こんにちは。UGです。
モンハンをやっていたらこんな時間になってしまった。。。
百竜夜行楽しいです。なんかみんなで村のために協力して、大きな災厄に立ち向かっている感じがしていいですね。ただハンターとして戦うだけのフェーズだけでなく、バリスタを使って敵を叩き落したり気絶させたり、村のキャラをお助けキャラとして戦場に呼べたりいろいろ戦いに広がりがあって楽しいです。破龍砲でまとめて吹き飛ばすのも楽しい。
ちょっと簡単すぎるところもあるので、もっと難易度が上がってクリアできるかできないか、のぎりぎりのところを楽しめるようになるといいですね。はやくG級来ないかなー。
さて、今日の話題は今年のドラフトです。
まるで野球の通かのように当然の顔してドラフトの話題を出していますが、普段は全く野球を見ません。というか、野球に興味ないのでどこのファンでもないですし、現在の順位も知りません。・・・しいて言うなら広島とソフトバンクのファンかな?
まあ、たまたま雑誌を見ていたらドラフトの話題があったので。
今年はコロナの影響で春の選抜とかも無観客試合だそうで、いまいち盛り上がっている感じがしません。選手の高校生もみんなに注目されることを夢見て頑張ってきたのに、活躍してもあまり話題にならなくてかわいそうですね。スカウトも全試合をみることができず、いい選手を見極めるのに結構苦労しているそうです。
今年の注目株は、投手だと筑波大の佐藤隼輔、天理高校の達孝太、市立和歌山高校の小園健太、野手だと岐阜第一高校の阪口樂、昌平高校の吉野創士、あたりのようですね。
それぞれのインタビューも載っていますが、甲子園等でまだわーきゃー言われていない分自分の実力を冷静に見ている選手が多く、冷めてる今時の子供な感じがしますね。さいてょ選手のような調子乗りはあまりいない気がします。コツコツ練習してみないい選手になるといいなと思います。
あこがれている選手に大谷選手やダルビッシュ選手を上げている人もおり、彼らが若手として出てきたときのことを何となく覚えているので、もうそんな時代になったのだなー、と少し月日の流れを感じたりします。
普段や野球選手の名前を覚えたりすることはないので、佐藤隼輔、達孝太、小園健太、阪口樂、吉野創士の5人が活躍するようになって有名になるといいなと思います。そうすれば「ドラフトで注目されているころから知っていた!絶対活躍すると思っていた!」と少し通ぶれる気がします。笑
いや、明日には忘れてそうだな。笑
それではまた明日。
【日記】コーヒーの話
おはようございます。UGです。
GW明け初日ですね。今日明日と頑張ればまた休みが待っていると思うと頑張れる気がします。
ただ、休みは休みで気が休まって楽なんですが、緊急事態宣言中でたいしてやれることもないので、人生を無駄に過ごしている気もします。そういう意味では少しは仕事をしていた方が世の中のためになっているかも・・・?(⇐社畜感)
今日は仕事前のちょっとした時間に書いているので、仕事中によく飲んでいるコーヒーの話でも。
私はコーヒーがとにかく好きで、毎日必ず1~2杯は飲んでいます。飲んでいると頭がすっきりして仕事がはかどるんですよね。休日なんかも作業をしているときはコーヒーが欠かせないので、何か作業をするときはたいてい喫茶店でコーヒーを飲みながらやっています。作業量が多いときはあまり何時間も喫茶店にいると嫌がられるので、なんなら喫茶店をはしごすることもよくあります。私はアルコールが強くないので飲み屋をはしごしたい人の気持ちは全くわかりませんが、「飲み会」が「いろいろな産地のコーヒーを飲み比べる会」なら、2次会、3次会にもぜひ参加していろいろなお店に行ってみたいと思っています。
せっかくこれだけ好きなのだから、もっと詳しくなってコーヒーを極めてみようと思い、さらにせっかくなので何か資格をとろうと思い、いろいろ調べた結果、コーヒースペシャリストの資格をとろうと勉強をしています。値段がそこそこする割に、とったところで何にもならない資格ですが、まあ話のタネにはなるかな、と。
いろいろと教材を見ながら、コーヒーの豆を産地やローストの仕方、挽き方を変えながら淹れてみているのですが、豆やローストの仕方でこんなにも味が変わるのか、というくらい味が変わって結構いろいろな発見がありました。私は甘味や酸味が強いものよりも、コクや苦みに少し甘味があるくらいのものが好みのようです。
ただ、いろいろ試して味の違いは判るのですが、豆をローストしたときのいい香りが残っていて、苦みや刻、甘味があれば、正直どの産地だろうとどのグレードだろうと「おいしい」と感じてしまうんですよね。一回コーヒー豆の老舗である土居珈琲の一番人気の銘柄を飲んでみたのですが、とにかく甘くていい香りでとてもおいしかったです。とてもおいしかったのですが、いくつか飲んでいるうちに、仮にこの人気銘柄で得られるおいしさ値を100とすると、この2~3割くらいの値段の安い豆でもおいしさ値80くらいは得られてしまう舌を持っていることに気づきました。
うーん、なんか、ワイン通がもつような「これこれこういう土地でこういう条件で栽培されたブドウを厳選して、この年はここの気候が良かったから特に何年のワインが良くて~」みたいなこだわりをもてると、ちょっとはコーヒー通っぽくなれるかとおもって勉強を始めたのですが、結論としては「ローストしたてのコーヒーっておいしいね!」っていう小学生みたいな結論が出てしまっています。
もうしばらくいろいろ飲んでいたらもう少し味の嗜好とか出てくるのだろうか。。。
コーヒー豆は珈琲問屋さんから購入しています。いろいろな豆が安く買えますし、数日で豆が届くのですが、ローストしたてのいい香りがものすごく込められたパッケージで送ってもらえます。
あまりにコーヒーのいい香りが充填されすぎていて、なんならパッケージの外までコーヒーのいい香りがします。あまりにいい香りすぎてもう香りを嗅いでいるだけでトべます。昨日の日記でパンの香りを吸い込む「パン吸い」なる言葉がでてきましたが、いうなれば私は「コーヒー吸い」です。コーヒーの香りを嗅いでいるだけで幸せな気分になれます。ローストした豆を嗅ぐっていう仕事があったらそれをやりたい。
さて、そろそろ仕事を始めなければ。。。
それではまた明日。
【日記】おいなり食堂
みなさんこんにちは。UGです。GW最終日ですね。
今日は朝にモンハンでひと狩りだけしてから出かけようと思ったら、3連続でパーティーメンバーが3乙してなかなか出かけられませんでした。1~2乙が出たら死なないように気を付けてプレイしてほしいですよねー。野良だと朝は下手な人しかプレイしていないのだろうか。
太刀ばかり使っていたけど、笛でも練習しようかなー。
今日はあまり書くことがありませんが、ちょっと気になるニュースがあったので紹介でも。
声優の花澤香菜さんがおいなり屋さんの娘だったそうです。
花澤さんといえば最近では日本では鬼滅の刃で有名で、中国でも恋愛サーキュレーションの人、という形で大人気ですよね。
優しい声で、心を落ち着かせるヒーリングボイスは聴くだけで本当に耳が心地よいです。一説によれば「1/fゆらぎ」、という独特な声の強弱と周波数をもっているそうで、これが人間のニューロンの電気パルスと共鳴して聞いているだけで自律神経が整うそうです。
細胞レベルに癒しを与えるなんて花澤香菜すげぇ。
以前は声優ラジオをよく聞いており、スケッチブックやセキレイのころは干し芋が好きで内気なおとなしい高校生、という印象でした。そこから俺妹ラジオでの竹達彩奈とのいちゃいちゃで少し印象が変わり、デュララジでの豊永利行とのいちゃいちゃは聴いていて本当に面白かったのを覚えています。
今でも聞いていて微笑ましくなるので花澤香菜が好きな人はぜひ聞いてみてください。とし君からさんざんきゅんきゅんする行動をとられ、だんだん壊れていくはなざーさんが見れます。(「とし君、一緒にお風呂はいろうよ!」(とし君をきゅんきゅんさせるために発言)、「私さあ!婚約届にさあ!サインした覚えないんだけど!!ねえねえねえねえ!!」(とし君が一般女性と結婚した際に発言)、etc.)
冒頭のニュースのいなり屋は、「おいなり食堂」という名前で、花澤香菜が名付け親なんだとか。日野市に開店してからまだ4~5年のようですが、ニュースになる前から食べログの評価も高く、味もコスパもよくて店長の人柄もいいと評判のお店だったようで。
いつか近くによることがあったら行ってみたい。
ちなみに花澤香菜といえば、食べる前には毎回パンの香りを胸いっぱいに吸い込む「パン吸い」という儀式を行ったり、収録の現場にパンを大量に買っていっては共演者に布教したり、果ては「パン」というそのままの曲の歌を歌ったりするほどのパン好きです。店主のお父さんは、娘の食の嗜好がいなりやの娘なのにパン好きなので複雑な気持ちだそう。笑
パンと同じくらいおいなりさんも布教してほしいですよね。笑
さて、明日からお仕事再開です。
おいしいパン・・・ではなくて、おいしいおいなりさんでも食べて気合入れていこうかなー。
それではまた明日。
【日記】白日の練習【音楽】
GWも今日をいれてあと2日ですね。
今日は今やっている仕事の案件が全然うまく進まない夢を見て起きました。仕事しない日が続くと、夢の中で仕事をし始める社畜歴7年目のUGです。
今日は最近練習をしているカラオケの話でも。
私はカラオケがあまり得意ではなく、うまく曲を歌うことができません。特に高い声が全然出ないので、曲の盛り上がる音程の高いところで無理やり声を出そうとして喉を傷めたり、貧弱な裏声で残念な感じになります。そのうえ、ある程度の音感はもっているので、
自分の音がずれていることが自分でわかる⇒自分の歌が下手なことがわかる⇒自信がなくなる⇒楽しくない⇒練習しなくなる
という流れでカラオケは苦手なままでした。
とはいえ、デートなんかでかっこよくカラオケが歌えるといいなとは思うわけです。
何か練習を始めるにあたり、目標となる歌があるといいな、と思い、歌えてかっこいい曲で、とにかく高い曲、ということで、King Gnuさんの「白日」を課題曲に設定しました。
うーん、音程が高い!そしてかっこいい!!
初めて聞いたときは衝撃でしたねー。
この曲って何回聞いてもどの部分も印象的なフレーズでずっとサビみたいで飽きないですよね。ウィスパーボイスもリズムもかっこいい。
で、これを毎日練習しています。
んー、声がでない!
けど、練習していて楽しい!
っていう感じです。マンションの1室で男が一人ではずれた声の調子で歌を熱唱しているって、はたから見ると結構異様な光景だと思います。
いつかきちんと歌えるようになりたい。
練習するにあたって、ボイストレーナーの白石涼さんのYutubeの歌い方講座(しらスタ)を参考にしています。
おネエキャラでちょっと変わった人ですが、歌い方の解説がとにかくわかりやすくて、曲の特徴をとらえた上で歌えるようになってきている気がします。
まー、高いところはまだうまく歌えてはいないのですが。
「白日」をきれいに歌えるようになりたい!って人は多いはず。
しらスタみて一緒に練習しましょう。笑
ちなみにしらスタは他もいろんな曲の歌い方の解説を出しているので、他にもこんな曲をもっとうまく歌いたい!っていうのがある人は、検索してみるといいかもしれません。
それではまた明日。
【日記】パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト
昨晩見た映画の話でも。
Amazon Primeにて「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」を見ました。
パコ・デ・ルシアはスペインのギタリストで、フラメンコの音楽を伝統芸術から現代でも世界的に通用する音楽へと昇華した人です。
私はアコースティックギターの音色が好きで、作業用BGMとしてよく聞いているのですが、以前Youtubeでこの人が演奏しているのを見たときは、「スペインの情緒も感じられて速弾きもものすごくうまいけど、澄ました顔して演奏していて、お高くとまったいけ好かない人だなー。」という印象でした。初めのアルバムも「天才」という邦題がつけられていますし。
ただ、このドキュメンタリー映画を見て印象がかなり変わりました。
小さいころはお尻が大きくて不格好でよくからかわれていたこと、初めから天才としてお高く留まっていたのではなく、フラメンコギターの巨匠にあこがれて師事していたこと、初めはフラメンコを踊るときの歌手であった兄のおまけで海外ツアーに参加していたこと、など、天才がいきなりギターを弾けてそのまま有名になった、というわけではなく、人間らしい成長の時代があったのだなー、と思いました。
特に印象的だったのが、パコ・デ・ルシアがアメリカで当時流行していたジャズやフラメンコ以外の音楽と触れあい、それをフラメンコの音楽として昇華した楽曲を発表して世界に認められていったときに、伝統的なフラメンコ音楽の巨匠たちからその音楽性に対して「フラメンコを汚している。」として認められていなかったこと。そして、それに対してパコ・デ・ルシア自身がフラメンコ界から排除されることを恐れていたことです。
天才であれば、自分の音楽性に絶対の自信があり世界から評価されていれば、自分の古巣であるフラメンコ界からどう思われようとかまわない、と思いそうなものですが、それでも「フラメンコ」であることにこだわり、結果的にフラメンコを伝統的な音楽から新しい音楽へと生まれ変わらせたのはすごく人間性があるな、と。
ジャズの音楽家たちと演奏する中でアドリブをどうやって弾けばいいかわからないと思い悩んだり、TVに出るのを「僕は内気だから恥ずかしい」と言ったり、寡黙なくせに冗談を言って周りを笑わせるのが好きだったり、「天から遣わされた孤高の天才」というより、フラメンコギターが好きな内気な普通の少年が、たまたまギターの才能と音楽の才能があって、それを持て余さずにいかんなく使った、という印象になりました。
ただ、演奏会での演奏の出来に対して観客の反応は一切気にせず、「自分が満足のいく演奏ができれば、その演奏で客は勝手に満足して喜ぶのだから、とにかく自分の満足のいく演奏ができるようにしている。」、といい、実際に数十年にわたって観客を魅了し続けたのは、さすがとしか言いようがない。
パコ・デ・ルシアに興味をもった人は、Youtubeで「二筋の川(Entre dos aguas)」を検索してみてください。パコが即興で作って世界中で大ヒットした曲ですが、フラメンコ音楽の独特な音色の面白さ(Am⇒G⇒F⇒E)、強弱で緩急のついたリズム感、あふれ出るフラメンコの情熱が伝わって(引いている本人は澄ました顔していますが。笑)、とにかく聞いていて楽しいです。
それではまた明日。